六十四卦を順番に紹介しています。
今回は「山火賁」です。
卦の形は上卦が艮（山）、下卦が離（火）。
山の中に明るい光を包んでいるような形ですね。
知恵のある人が止まっているようにも見えます。
先に紹介した六十四卦表をご参照ください。
易経にある山火賁の卦辞は以下のように書かれています。
艮／離
山火賁
賁。亨。小利有攸往。
賁は亨る。小しく往くところあるに利あり。
賁は「飾る」という意味です。
礼儀、しきたり、制度など、人々の生活の上に載せて、物事の整理をするもの。
離が「明るさ、知恵」などを意味し、艮が「それぞれの分にとどまる」を意味します。
人々の間で、それぞれの人がそれぞれの立ち位置を乱さないような振る舞いをする。
そのための約束事がありますね。
それが守られているのであれば、願い事は叶います。
よいことがあるでしょう。
それも大きな願い事ではなく、小さなこと。
自分の分を守って得られるものは、おそらく身の回りの小さなことになるでしょう。
この卦に対して、新井白蛾はどのようにいっているでしょうか。
山火賁
「門の内で美を競う」の象
「明かり遠くへ及ばず」の意
この卦は、
虎が林を出て遊ぶという形で、
姿に美しさがあり、
また威厳があるという意味でもある。
立身出世の機会があるだろう。
住居を改めて吉、
また旅行もよい。
住居、衣類、持ち物すべて見事に飾られるという意味もある。
間違いで人とのつながりが切れてしまうことがあるだろう。
後でよいことがある、
またはよいことは遅れてくる。
短気は慎むべし。
願いごとは叶うが、
障害があってすぐには調わない。
自分の身分よりも大きなものを求めると損をする、
小さなものを求めて利がある。
婚姻事は成就するが、
添い遂げることは難しいだろう。
妊娠お産に不安あり。
失せものは近くを探すべし。
待っていることには便りがあるだろう、
それが遠くからのものであれば、
とても時間がかかっている
易学小筌から
艮（山）の中に美しい獣（虎）がいる形に見ているようです。
それが出てくる。そしてその力が認められて立身出世する。
そんな時期のようです。
おおむねよい卦辞ですが、結果は早くは得られません。
待ちましょう。
どうも結婚、出産などにはあまりよくない時期でもありそうです。
よいことは遅れてきます。
タイミングをよくはかりましょう。
