今日の卦辞:兌爲沢
兌/兌
兌爲沢
兌。亨。利貞。
兌は亨る。貞しきに利あり。
上卦、下卦、いずれも兌(沢)。
兌とは「喜び」です。
剛爻二本の上に柔爻が乗っています。
内側に強いものを保ち、外側には柔らかな態度を示す。
喜びが外に表れていると、周囲にいる人たちは喜びますね。
沢が二つ重なると、互いに潤し合います。
暮らしであれば、心が通い合う形。
学友であれば、互いに向上するため助け合う姿。
社会と個人の間でも、自分だけが得るようなことはしない振る舞いを象徴します。
喜び、潤し合う、そんな意味の卦です。
易経と新井白蛾の「易学小筌」にある兌爲沢の卦辞は以下の記事もご参照ください。
兌爲沢の原文は以下のリンクから。
今日の暮らしのヒント
新しい生活を始めて、しばらくたつと、なんらかの幻滅を感じたりします。
その多くは「こんなはずではなかった」という感情によるものでしょう。
こういう人たちのはずだった、こういう環境の職場のはずだった。
そういう思いが、なんらかの形で裏切られたような気がしてしまう。
ただ、それは、自分がそうだろうと一方的に期待していたもの。
他の人たちや、組織は、自分の期待に沿うようにはそもそもなっていません。
自分側から期待していたものは、その通りにはならない方が普通でしょう。
その場合でも、「自分はこうしよう」、「自分はこう考えよう」、という自分の振る舞いは、自分自身で決めることができます。
自分に合った振る舞いは、いつでもできます。
それは、どのようにでも期待でき、それを実行可能です。
自分自身の中に、自分らしい、しっかりとしたものを抱き、周囲には柔軟に対応する。
そうすることで、周囲の人々とも、社会とも馴染むことができます。
喜びも生まれてくるでしょう。
今はそのように暮らしていく時です。