今日の卦辞:天風姤
乾/巽
天風姤
姤。女壯。勿用取女。
姤は、女壯(さかん)なり。女を取(めと)るに用いる勿れ。
変爻は初爻でした。
卦辞は以下のようになります。
初六。繫于金柅。貞吉、有攸往、見凶。羸豕孚蹢躅。
象曰、繫于金柅、柔道牽也。
初六。金柅に繫ぐ。貞しくして吉、往くところ有れば、凶を見る。羸豕孚に蹢躅たり。
象に曰く、金柅に繫ぐとは、柔道は牽けばなり。
「金柅」とは、一説に、鉄製の車輪止め。
これに繋ぐようにしてしっかりと留めておけば吉。
しかし、ふらふらと動き出すようであれば凶。
羸豕とは痩せた豚のこと。
痩せた豚は、あちらこちらと動き回り、じっとしておらず、そのうちに厄介ごとを引き起こしたりします。
これも、しっかりと取り押さえておくことが必要ですね。
天風姤の卦で、一番下にある一本の陰爻。
この爻の扱いに、残りの五本の陽爻は慎重にならないといけません。
五本の陽爻は、力もあり、理想も高いのですが、それを世の中で実現するためには陰爻と交わらないといけません。
その最初の出会いとして、一番下に現れた陰爻と上手に混じり合うことが求められます。
そんな大事なとき。
それを無事に乗り切ることができたら、その後は十分に物事を成し遂げることができるでしょう。
易経と新井白蛾の「易学小筌」にある天風姤の卦辞は以下の記事もご参照ください。
天風姤の原文は以下のリンクから。
今日の暮らしのヒント
自分が長い時間をかけて学んだものを実社会で試す際には、いろんな障害が生じるものですね。
理論通りにはいかないものです。
自分とは異質なものとの出会いは必ずあります。
そんな時に、慌ててしまったり、出遭った障害を放置したりすると、さらに大きな問題になりかねません。
じっくりと時間をかけて、自分の力を少しずつ試していくことが大切ですね。
必要であれば、やり方を変えるというのもアリです。
何はともあれ、慎重に振る舞うべき時。
異質なものは排除するのではなく、混じり合うことで
卦の形、上卦が乾(天)で下卦が巽(風)。
理想や思いなどは、柔らかく風のように吹きわたらせるのがよいでしょう。
人々が求めているものであったのなら、それば次第に受け入れられ、広まっていきます。
天風姤の過去記事は以下になります。