易暮し by 暖淡堂

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雷地豫 六十四卦 易経の卦辞と新井白蛾「易学小筌」

雷地豫

雷地豫

 

六十四卦のうち震卦を上に置くものを紹介しています。

今回は「雷地です。

卦の形は上卦が震(雷)、下卦が坤(地)。

 

大地の上に、力強い動きが生まれてくるような形の卦になっています。

 

震(雷)

震(雷)

坤(地)

坤(地)

 

先に紹介した六十四卦表をご参照ください。

 

ekilife.hatenadiary.com

 

易経にある雷地豫の卦辞は以下のように書かれています。

 

震/坤

雷地豫

豫。利建侯行師。

豫は、侯を建て、師を行うに利あり。

 

豫は「よろこび」、「和らぎ楽しむ」。

卦の形からは、力強い指導者(震)を民(坤)が支え、素直にしたがうという意味も読み取れます。

それで軍隊を起こし、それを動かしても良いという解釈ですね。

ただし無謀な指導者であってはうまくはいきません。

この指導者は、聖人であることが求められます。

 

この卦に対して、新井白蛾はどのようにいっているでしょうか。

 

雷地豫

 「雷が地から出て奮う」の象
 「行き止まるも時にしたがう」の意

 

この卦は悦びの意味がある、

雷が地上に奮い出て大いに登るときである、

人も立身出世の喜びがあるだろう、

むかし孔明が南蛮の国々を征伐しようとして占い、

この卦を得て勝利を得たという、

その他にもいろいろとこの卦については口伝がある。

住居を変えることがある、

また住むところに苦労することもある。

新たに物事に取り組むという意味もある。

怠惰な気持ちが起これば大いに驚くようなことがあるだろう。

婚姻には吉、ただし女の家から物言いがある。

病には凶、

そして長引く。

妊娠お産は安心できない。

失せものは探し出せない。

待ち人は来るが、

途中で邪魔されることがあるだろう。

いろいろと迷うという意味がある

易学小筌から

 

 

孔明のエピソードが出てきます。

孔明は中国の三国時代に活躍した軍師ですね。

後漢の体制が崩壊し、魏呉蜀の三国に分かれたうちの蜀の国で宰相となってもいます。

この孔明、魏との決戦の前に、蜀の国の南側の統治を進めました。

その際に、占ってこの卦を得たようです。

実際に孔明の南下策は成功し、魏との戦のための力をためることができました。

 

新たな物事に取り組むのもよさそうです。

住居を変えることもあるかも。

色々と動きのある時期であるのかもしれません。

 

 

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