易暮し by 暖淡堂

易を学びながら、心豊かで穏やかな暮らしを手に入れましょう

*本ブログにはスポンサーによる広告が表示されています

乾為天 六十四卦 易経の卦辞と新井白蛾「易学小筌」

易学小筌乾為天

乾為天

 

六十四卦の一番初めは乾為天けんいてん

乾卦が二つ重なって、一番下から一番上まで全部陽爻です。

見た目、強うそうで、とても良さそうな形の卦です。

これが六十四卦の一番初め。

 

易の六十四卦の全体像は、以下の表でご確認ください。

 

ekilife.hatenadiary.com

 

上卦乾

下卦乾

 

易経にある卦辞は以下のようなものです。

 

乾/乾

乾爲天

乾。元亨。利貞。

乾は元いに亨る。貞しきに利あり。

 

亨(コウ)は「とお・る」と読みます。

意味は「順調なさま、支障なく達するさま」。

卦辞に現れた場合は、「願いごとは叶う」という意味です。

貞は「ただしい」、利は「よいこと」。

 

なので、この卦が得られたら、願い事は大いに叶えられる。

ただしい態度(貞)をとっていたらよいこと(利)がある、となります。

 

ものすごく力強く、希望を持てる卦ですね。

 

この卦に対して、新井白蛾はどのようにいっているでしょうか。

 

乾為天
 「龍変化を示す」の象
 「萬物資して始まる」の意

 

この卦は公家大名以上の貴人には吉ではあるが平民には凶である。

平民でも学者あるいは出家の僧などには吉事と見ることもあるが、

理義を明らかに見合わせて吉凶を判断するべし。

萬事進むこと凶、

退くのがよろしい。

物ごとに難義する心配あり、

また旅行などすることは凶。

住むところに関わる苦労あり、

あるいは住んでいるところを離れることあり。

損失あり、また盗難のおそれあり、予防すべし。

病難あり、身を慎むべし、

病人を占ってこの卦を得るは凶。

失せものは出てくる。

妊婦の身には不安のきざしあり、

また、まだ子を授かっていないものには見こみなし。

願望は成就しがたく、金銀などについて苦労あり、

すべて思うことはうまくまとまらない。

やり損なうことあり、悔いるだろう。

自分の持ち物を配るつもりになれば、

それにともなって世話などの苦労も伴うものと知るべし。

婚礼は半吉、大体は平穏にすむが、

仲人ごとなどには障害あり。

物事の始めと終わりとを兼ね備えている、

また物事の先頭になる意味もある。

おごり高ぶる振る舞いをして、

憎まれることあり。

この卦は世間一般の人にはよろしくない、

これの意味するところは、俗にいう「位負けする」ということ。

易学小筌から

 

もともと力のないものが大きな力をもってしまったら、むしろ禍(わざわい)がある。

気をつけよ、といっています。

新井白蛾はいつも庶民の立場で見ています。

 

ちょっとばかり運が向いてきても、調子に乗ったらだめだということでしょうね。

ご用心、ご用心。

 

易経の卦辞は柔軟に読む必要があります。

新井白蛾のように、気持ちを引き締めるような態度も時には必要になりますね。

 

このように、懐を広くするような読み方ができる易経

長く読み続けていくべき「古典作品」の一つです。

 

 

dantandho.hatenadiary.com

 

古典を読む 易 (暖淡堂書房)

新品価格
¥800から
(2023/4/26 16:16時点)

にほんブログ村 その他趣味ブログ 占いへ
にほんブログ村
PVアクセスランキング にほんブログ村