六十四卦のうち震卦を上に置くものを紹介しています。
今回は「震爲雷」です。
卦の形は上卦下卦いずれも震。
力強く動くイメージです。
先に紹介した六十四卦表をご参照ください。
易経にある震爲雷の卦辞は以下のようなものです。
震爲雷
震。亨。震來虩虩。笑言啞啞。震驚百里。不喪匕鬯。
震は、亨る。震來れば虩虩たり。笑言啞啞たり。震百里を驚かすも、匕鬯を喪わず。
震來虩虩の虩虩は驚き慌てて周囲を見て回る様子を表します。
笑言啞啞の啞啞は笑い声のこと。
不喪匕鬯の匕鬯は柄杓と神に捧げるお酒。
雷が鳴って人々は驚きますが、神前に捧げるものを失うことがない。
そのくらいに一心に神を祀っていれば、雷が鳴り響いても驚くことはありませんね。
そのように過ごしていれば、願い事は叶います。
この卦に対して、新井白蛾はどのようにいっているでしょうか。
震為雷
「二龍珠(たま)を競う」の象
「声有りて形無き」の意
この卦は、
もともとは祥福あって繁昌をあらわすものであるが、
普通の人には大抵はよくない、
声は聞こえるが形がないという卦でもあるので、
吉凶いずれも初め話に聞くほどにはないと知るべし。
位の高い人、
威勢のある人物からもたらされるものが多い、
それらはよくよく考えて判断すべし。
驚くようなことがあるだろう。
ものが変動する意味がある、
また騒がしくなることもある。
願望には障害がある。
世の中にしらせがいきわたるという意味もある。
旅行するだろう。
怒りにまかせて、
物事を失敗するという意味もある。
婚姻はよくない。
病は安心できない。
お産に臨むにおよんで子をえること、
障りなし。
待ち人からは便りがある。
失せものは、もうなくなっている
易学小筌から
新井白蛾は、いつも庶民の立場で考えます。
上の立場の人からなにかがもたらされるかも知れませんが、それには用心した方が良さそうです。
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