今日の卦辞:山地剝
艮/坤
山地剝
剝。不利有攸往。
剝は、往くところあるに利あらず。
下卦の坤は陰爻が三本。
柔軟なものの象徴です。
上卦の艮は柔らかな陰爻二本の上に硬い陽爻が一本。
下に育ってきた柔らかなものたちに、硬く載っかっているものが持ち上げられている感じです。
さらに柔らかなものたちが増えると、硬いものがポロリと剥がれ落ちます。
それで剥(はく)です。
ただ上に載っかっていただけのものは、置き換わってしまう。
そんな時期が到来しているということかもしれません。
柔らかなものが育ちつつあるということを意味しているのでしょう。
ただ、人々の上に乗っていただけの人は、その地位を奪われるかもしれません。
硬い態度で、自分の内側で育っているものから目を逸らしていた人は、それと向き合うべき時期にきているかもしれません。
表面と異質なものが大きくなってきている。
その時に、しかるべき対応をとらないと、ただ表面が崩れるだけ。
そんな終わり方をしてしまうかもしれませんね。
易経と新井白蛾の「易学小筌」にある山地剝の卦辞は以下の記事もご参照ください。
今日の暮らしのヒント
組織の中で、育ってきているものを、何かが押さえつけているような状況だとしたら。
それはそろそろ終わりになるかもしれません。
もう押さえつけられません。
硬く押さえつけていたものは、ズルっと剥がれてしまうでしょう。
柔らかく、小さなものが育ってきているということ。
それは、結局はとても大きな変化のきっかけになります。
そんな変革の時期が来ているようです。
自分の中に溜まってきている小さな思いの数々。
それが自分に囁きかけていませんか。
その微かな声から耳を塞いでいるのは、そろそろ無理になっています。
身体が何かを伝えようとしているかもしれません。
それは健康に関する重大なものかもしれません。
もっと健康になるための示唆であったり、もしかしたら大きな病気の兆候であったり。
それらを無視し続けるのは難しくなっています。
ゆったりと過ごす時間を作って、そんな声たちに耳を澄ますべき時です。
季節の変わり目でもあります。
無理せず、穏やかに。
山地剝の過去記事は以下になります。